離婚後に「証拠を取っておけば良かった」と思いました。
でも、何のために、どの場面で証拠が必要なのか、よくわからないという方も多いのではないでしょうか。私は今でもいくつか点で後悔しています。
まずどんな場面で証拠が問題になるのかを整理しておくことが大切だと思います。
この記事でわかること
- 離婚手続きにおいて証拠が問題になる場面の概要
- 証拠が特に重要になるのはどのようなケースか
- 証拠集めを始める前に考えておくべきこと
「証拠」という言葉が出てくる場面
協議離婚では証拠は必須ではない
まず前提として、離婚の多くは「協議離婚」で成立しています。つまり、夫婦がお話し合いで合意さえすれば、証拠がなくても離婚は可能です。一般的には、離婚届に署名・捺印し、役所に提出するだけで手続きは完了します。
証拠が問題になるのは、主に「合意できない」ケースや「慰謝料・財産分与などの条件をめぐって争いが生じる」ケースです。
証拠が重要になる主な場面
1. 有責事由を主張するとき
相手方に「有責事由(法的に離婚原因とされ得る事情)」があると主張する場合、一般的にはその事実を証明することが求められます。たとえば、浮気や、暴力・ハラスメントなどが有責事由として挙げられることがあります。
こうした事実は「あった」「なかった」で争いになりやすく、裁判や調停になった場合に証拠の有無が影響することがあります。
2. 慰謝料請求をするとき
相手の行為が原因で精神的苦痛を受けたとして慰謝料を請求する場合、一般的にはその行為があったことを示す証拠が必要とされます。口頭での主張だけでは認められないケースが多いとされています。
男性側も精神的な苦痛を証明するために病院などで診断書をもらっておくことや、通院履歴を証明できるものを用意しておくことも重要です。相手が一方的に主張してきても、こちらも同じように証拠があれば対抗できる可能性もあると思います。
3. 財産分与で争いになるとき
財産分与は、婚姻中に形成した財産を分け合うものです。相手が財産の存在を隠したり、正確な金額を開示しなかったりするケースでは、財産の存在を示す証拠が必要になることがあります。
相手の口座や保険、株式などの他資産を事前に把握しておくことが重要です。
4. 親権・面会交流で争いになるとき
お子さんがいる場合、親権や面会交流の条件をめぐって意見が対立することがあります。その際、子どもとの関わり方・養育の実態・相手方の育児参加状況などを記録として残しておくことが、判断材料になることがあります。
裁判所は「子どもの最善の利益」を軸に判断するとされており、その判断には生活実態に関する情報が参考にされることがあります。
5. DV・ハラスメントの被害を訴えるとき
身体的・精神的暴力を受けている場合、その被害の記録は保護命令の申請や離婚手続きにおいて重要な意味を持つことがあります。診断書・写真・日記・LINEなどのメッセージ記録が活用されるケースがあります。
証拠として使われ得るものの例
一般的に証拠として活用されることがある資料の例を挙げます。あくまで「例」であり、何が有効かは状況によって異なります。
- メッセージ記録(LINE・メール・SNS)
- 通話記録
- 日記・メモ(日時・状況を記録したもの)
- 写真・動画
- 診断書・医療記録
- 目撃者の証言・陳述書
- クレジットカード明細・金融機関の記録
- 探偵(興信所)の調査報告書
何が証拠として有効かどうかは、個別の状況や争点によって異なります。また、証拠の収集方法によっては、法的に問題が生じることもあるとされています。この点については、必ず専門家に相談することをおすすめします。
何を考えればいいか
以下の問いを、ご自身に向けて考えてみてください。
- 自分はどのような場面で証拠が必要になりそうか?(協議・調停・裁判のどれを想定しているか)
- 相手との間にどのような争点が生じ得るか?
- すでに手元に残っている記録はあるか?
- 証拠を集める前に、専門家に相談する必要はないか?
専門家に相談すべきポイント
- 有責事由を主張しようとしている場合は、弁護士への早期相談が重要です
- 証拠の収集方法(違法にならない範囲)については、弁護士に確認することが望ましいとされています
- 探偵・調査会社を使う前にも、目的と費用感を弁護士に相談しておくと安心です
- 裁判所や法務省の公開情報(https://www.courts.go.jp/)も参考になります
本記事は一般的な情報提供を目的としており、法的アドバイスではありません。個別の状況については、必ず弁護士や専門家にご相談ください。
